店舗予約リマインドメールの書き方と例文、送り方のポイント

リマインドメールは、来店予約やレッスンスケジュールなどを再確認するためのメッセージです。予定を勘違いしたり忘れたりしてしまうことは誰にでも起こりえます。リマインドメールを送って予定を思い出してもらうことにより、無断欠席や無断キャンセルのリスクを小さくできます。

とはいえ、書き方や送り方を間違えると相手に不快感を与え、逆効果にもなりかないところには注意が必要です。

本記事では店舗予約におけるリマインドメールの書き方と例文、また送信のタイミングや送信手段を紹介します。

目次


店舗予約のリマインドメールの意味と目的

リマインドメールを送る目的は、重要な予定を相手に思い出してもらい再確認を促すことです。来店予約やセミナー・レッスンの受講予定など、さまざまな場面で用いられます。

ここでは、店舗予約におけるリマインドメールを中心に、役割や目的、重要性についてみていきましょう。

リマインドメールとは何か

店舗予約のリマインドメールは、言い換えれば「予約が近づいてきたことをお知らせし、予約内容の再確認を促すメール」であり、二つの役割を担います。

一つは、予約の存在の確認、つまり予約していたこと自体を思い出してもらう目的です。もう一つは、予約日時など内容の再確認です。もし予約時に入力ミスがあったとしても、来店日が近づいたころに予約内容を再確認することにより、予約日時の勘違いや無断キャンセルといった当日のトラブルを事前に回避できます。

予約リマインドメールの重要性

リマインドメールを送る最大の効果は、当日キャンセルや無断キャンセルによる店舗への被害を予防できる点です。飲食店における無断キャンセルの被害額は推計で年間2,000億円にのぼるといわれています。

参考:無断キャンセルが引き起こす負のスパイラル(2019年12月3日、METI Journal)

当日キャンセルや無断キャンセルが発生すれば、飲食店は売り上げの確保ができないだけでなく、食材のロスにもつながります。とくに無断キャンセルの場合、「遅れて来店するかもしれない」と待ち続けることになり、ほかのお客さまが来店しても断らざるをえず、売り上げの補填も難しくなります。

リマインドメールは急なキャンセルや無断キャンセルによるダメージを負わないための、非常に重要なツールだといえます。

予約リマインドメールの基本的な書き方

では、リマインドメールは具体的にどのように書けばよいのでしょう。

ここからは、来店予約のリマインドメール作成で押さえておくべきポイントを紹介します。

件名

メールのタイトルは送信者と用件が一目でわかるものにしましょう。日々多くのメールを受信するなかで、自分にとって重要なメールだと瞬時に判断できなければ、開封されにくいためです。

また「リマインド」という表現は高圧的に受け取られる場合もあるため、使用を避けます。

件名は「【店舗名】ご予約の確認」など、用件を想像でき、角が立たない簡潔な表現を心がけましょう。

あいさつ

リマインドメールもビジネスメールと同様、本文は簡単なあいさつから始めます。いくら予約の確認が目的とはいえ、冒頭から予約内容を記載してはいかにも事務的で唐突な印象を与えてしまいます。

「この度はご予約ありがとうございます」など、予約に対するお礼を一文はさむだけでも冷たさがやわらぎ、ていねいな印象になるでしょう。

予約内容

肝心の予約内容は下記4点を必ず記載し、適度に空白行を設けるなどして見た目にも読みやすくまとめます。

  • お客さまの氏名
  • 来店日時
  • 予約したコース・メニュー
  • 予約したコース・メニューの料金

ほかにも、決済方法や予約人数など、すり合わせておきたい情報を漏れなく記載します。項目が多い場合や複雑な場合は、予約の詳細ページへのリンクを設置するなど、読みやすさの工夫も大切です。

店舗の住所・連絡先

はじめてのお客さまも迷わず来店できるよう、店舗の住所はビル名やフロアなどを省略せず記載します。またGoogle マップを開くリンクや最寄り駅、駐車場の場所なども載せておくと親切です。

連絡先については、電話番号、メールアドレス、SNSアカウントなど、できるだけ複数の手段を記載します。最近は電話をかける機会が減っていますが、当日の緊急連絡は電話が一般的です。ウェブサイトやメールからの予約であったとしても、電話番号を忘れずにお伝えしましょう。

キャンセルの対応方法・注意事項

リマインドメールにはキャンセルポリシーを明記しておくことも重要です。キャンセル受付期間やキャンセル料、キャンセル料の発生条件などを明確に示すことで、トラブルが起きづらくなります。

また教室やレッスン、セミナーなどの場合は、持ちものや服装など必要な準備についても再度お知らせしましょう。当日のスムーズな受講につながり、お客さまの満足度アップが期待できます。

署名

最後に、担当者の所属や氏名、連絡先などの署名を載せてメールを締めましょう。問い合わせ担当者や予約当日の担当者について、名前だけでもわかっているとお客さまは安心感を得られます。

メールを作成するたびに自動で署名が挿入されるように設定しておけば、入力の手間も省けます。

使用言語にも工夫を

海外からのお客さまが多い店舗の場合は、日本語以外のリマインドメールも送信できると親切です。使用言語は英語のほか、これまで来店されたお客さまの傾向、店舗のある地域特性に応じて決めましょう。リマインドメールの内容をより理解してもらいやすくなり、予約に関する認識の不一致を防げます。

テンプレートを準備すれば、メールをスムーズに作成できるでしょう。

予約リマインドメールを売上アップに活用する方法

店舗予約のリマインドメールに少し工夫をくわえると、無断キャンセルを防ぐだけでなく売上アップも期待できます。

ここでは、リマインドメールで売り上げを伸ばす工夫を二つ紹介します。ただし、予約のリマインドメールはあくまで予約の最終確認が目的であり、営業目的ではない点は念頭に置いておきましょう。

おすすめの商品を紹介する

リマインドメールにおすすめ商品の情報を添えると、来店時に注文・購入してもらえるかもしれません。リマインドメールは予約した日が近づいてきたころに送信することから、来店の際にメールの内容を覚えている可能性が高いためです。

たとえば、飲食店なら旬のメニューを、フラワーアレンジメント教室なら季節の花を使ったアレンジメント商品などをさりげなくメールに添えてみましょう。あわせて、メニュー表でも旬の商品を強調する、店内の目立つ場所に商品を展示しておくとさらに効果的です。

実施中のキャンペーンを記載する

施術や講座などの無形商品を扱う店舗は、実施中のキャンペーン情報をリマインドメールに記載してもよいでしょう。たとえば、新サービスの割引体験キャンペーンや、お友だち紹介キャンペーンなどがあげられます。

時間の兼ね合いで予約当日の利用は難しかったとしても、キャンペーンを利用したリピート予約や新規サービスの利用につながる可能性があります。

業種別予約リマインドメールの例文

それでは実際に、予約リマインドメールの例文をみてみましょう。レストラン、美容室、教室・レッスンと三つの例を紹介します。

最後によくないリマインドメールの例も紹介しますので、よい例文と比較しながら書き方のポイントをおさらいしてみてください。

レストラン


<件名>
【店舗名】ご予約内容の確認

<本文>
○○様
この度はご予約いただき誠にありがとうございます。
ご予約の当日が近づいてまいりましたので、ご連絡申し上げます。

【ご来店日時】
・20XX年○月○日(曜日)19:00~

【ご予約プラン】
・○○コース(URL)
・大人4名

【料金・お支払い方法】
・お一人様4,400円 合計17,600円(税込)
※現金・クレジットカード・PayPayにてお支払いいただけます

【店舗情報】
・住所:東京都○○区○○町1-1 ○○ビル2階(地下鉄○○線○○駅4番出口より徒歩7分)
・Googleマップ(URL)
・電話番号:03-XXXX-XXXX
・営業時間:17:00~23:00
※ご予約に関するお問い合わせはお電話またはこちらのお問合せフォーム(URL)からご連絡ください

【キャンセルについて】
・2日前:料金の50%
・前日:料金の80%
・当日または無断キャンセル:料金の100%
※ご予約の2日前以降キャンセル料が発生します
※キャンセルされる際は必ずお電話でのご連絡をお願いいたします

不明な点がございましたら、気兼ねなくお問い合わせください。
当日のご来店を心よりお待ちしております。

(署名)

–

当店では季節の限定メニューもご注文いただけます。
旬の野菜を使った○月限定メニューはこちらのページ(URL)からご確認ください。

美容室

<件名>
【サロン名】ご予約内容のご確認
<本文>
○○様
この度は<サロン名>をご予約いただき、ありがとうございます。
ご予約が○日後になりましたのでお知らせいたします。

・ご来店日時:20XX年○月○日(曜日) 17時
・内容:カット・カラー(シャンプー・ブロー込)
・担当:○○
・料金:9,900円(税込)
※お支払いは現金または電子マネーでお願いいたします

店舗情報
・住所:東京都~~~
・地図:GoogleマップのURL
・駐車場:店舗東側にて○台完備
・電話番号:03-XXXX-XXXX
・LINE:http://~~~

キャンセルポリシー
・キャンセルされる場合は、ご予約の前日までにお電話にてご連絡ください
・無断キャンセルの場合、施術料の○%を頂戴します
・予約内容の変更はこちらのフォーム(URL)からお願いいたします

注意事項
・15分以上遅刻された場合、ほかのお客さまを優先する可能性がございます

○○様のご来店を心よりお待ちしております。
当日は気をつけてお越しくださいませ。

(署名)

–

<サロン名>ではヘッドスパ体験キャンペーンを実施中です。
日々の疲れを癒す極上のヘッドスパを通常1,500円のところ、○月まで1,000円でご提供しています。この機会にぜひご利用ください。
詳細はこちら(URL)

教室・レッスン

<件名>
【教室名】○○レッスンX日前のご案内

<本文>
○○様
この度は【教室名】○○レッスンをご予約いただき、ありがとうございます。
レッスン日の○日前となりましたので、お知らせいたします。

ご予約内容は下記のとおりです。
講座名:○○レッスン
日時:20XX年○月○日(曜日)11時~
講師:○○
料金:5,500円(税込)
決済:クレジットカードにて事前決済済み

当日持参いただくもの
・持ちもの1
・持ちもの2

教室情報
住所:東京都~~~
電話番号:080-XXXX-XXXX
e-mail:~~~@~~~.co.jp
LINE:(LINEのURL)
営業時間:平日10時~18時
※予約の変更やキャンセルはお電話にてご連絡くださいますよう、お願いいたします

不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
○○様のご参加を楽しみにしております。

(署名)

NGの例文

具体的な件名、挨拶などの配慮、予約内容、キャンセルポリシー、連絡先が抜けている例です。

<件名>
【店舗名】お知らせ
<本文>
○○様
ご予約の○日前となりましたので、お知らせいたします。
お車でお越しの場合、店舗東側にあります駐車場をご利用ください。
それでは、当日○○様にお会いできることを楽しみにしております。

予約リマインドメールを送るタイミング

予約リマインドメールを送る適切なタイミングは、予約の2~3日前です。

もしお客さまが予約を失念していた場合、2~3日前ならまだ予定を調整できる余地があります。やむを得ず予約変更またはキャンセルする場合でも、当日キャンセルを防げ、空いた時間にほかのお客さまの予約・ご来店を受け付けられます。

送信日が早すぎてもまた忘れられてしまうおそれがありますし、前日や当日では予定の調整が難しく、直前のキャンセルにつながりかねません。

効果的なリマインドメールとするためには、2~3日前がベストなタイミングといえます。

予約リマインダーの送信手段

予約リマインドメールは、文字通りメールでの送信が主流です。しかし近年はSMSやLINEで送信するケースも増えました。各送信手段の特徴をおさえておきましょう。

メールでの送信

メールは予約リマインドメールの送信手段としてもっとも一般的です。件名で内容が一目でわかれば、高確率で本文を確認してもらえるでしょう。

一方、デメリットとして、開封されたかどうかがわからないこと、受信側の設定によっては迷惑メールに分類される可能性があることがあげられます。

SMSでの送信

SMSはスマートフォンの電話番号をアドレス代わりに送信する短いメッセージです。

1日の受信数がEメールよりも少ない傾向にあるため、ほかのメッセージに埋もれにくい点が特徴です。

一方、送信できる文字数が全角670文字と限られており、予約に関する確認事項が多い場合は不向きといえます。

LINEでの送信

LINEは2023年6月末時点でユーザー数が9,500万人を超えるコミュニケーションアプリです。非常に多くの人が日常的に利用しており、一定の開封率を期待できる点や既読通知機能が設定されている点が特徴です。

その反面、1日の受信件数の多さから、家族や友人、職場など個人間のつながりでない人(公式アカウントなど)から受信したメッセージは未読のまま放置する人もみられます。

予約リマインドメールを自動送信するメリット

予約リマインドメールの手動送信は手間と時間がかかるほか、入力ミスのリスクもあります。手作業による課題を解決するには、自動送信システムの利用がおすすめです。

ここでは、リマインドメールの自動送信システムを手動送信の場合と比較しながら紹介します。

予約リマインドメールの自動送信システムとは

予約リマインドメールの自動送信システムは、用意されているテンプレートから簡単にメールの文面を作成できる機能や、送信したい日時にメールが自動で送信されるよう設定できる機能を持ちます。

なお、予約リマインドメールの自動送信システムは予約システム(予約に関する業務を一元管理できるシステム)の一機能として提供されるケースが一般的です。

手動送信のデメリット

手動送信の場合、作業に手間がかかり、ミスが起こりやすいことが大きなデメリットとなります。

予約内容を確認しながらのメール作成は手間と時間がかかります。またミスタイプや送信忘れ、送信先の取り違えといった致命的なミスも起こりかねません。

手動送信は予約の件数が増えるほど作業コストもリスクも大きくなるため、できれば別の手段を考えたいところです。

自動送信システム活用のメリット

自動送信システムを導入すれば、メールの作成と送信を自動化できます。メール送信にかかる手間や時間、ミスの発生リスクを大幅に削減できるでしょう。

メールを一斉に自動送信するサービス自体は無料で利用可能なものが多くあります。しかし、リマインドメールは予約状況に合わせて個別対応する必要があるため、予約システムと連動させなければ作業の手間も送付時のミスも減らすことはできません。たとえ利用料が発生しても、予約システムの機能として組み込まれている自動送信メールのサービスを検討したいところです。

Square 予約のリマインドメールで無断キャンセルを減らそう

予約リマインドメールは、当日キャンセルや無断キャンセルによる被害を予防する役割を担い、さらにはていねいなコミュニケーションで顧客満足度を高める施策としても重要なサービスです。

送信の手間やミスが発生するリスクの観点から、予約システムと連動した自動送信機能の利用をおすすめします。

予約システム「Square 予約」を導入すれば、無料プランでも予約リマインドメールの自動送信機能を利用できます。メール作成にかかる手間と時間を省き、さらにはミスのない顧客対応で満足度を高めるサービスに向けて予約システムと連携したリマインドメールの活用をぜひご検討ください。

予約管理はSquare 予約で

Squareの予約管理は無料から導入でき、事前決済はもちろん、有料プランの場合はキャンセル料も取れるので、ノーショウ対策もできます。専用アプリでも、お使いのブラウザでも、場所を問わず、どこでも予約の状況を確認、調整できます。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2024年5月8日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash